燃えるぜ!人生珍道中旅日記:糸

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人は、一本の長い糸

糸は、人生という織り機にかけられて

絡み合い、重なり合い

一反の布を紡いでゆく



繊細に編みこまれた部分もあるだろう

荒く織られた部分もあるだろう


肌触りの良い部分もあるだろう

強張って、着心地の悪い部分もあるだろう



それでも

他として同じくするモノは一つも無く

唯一の存在を紡いでゆく



ぶつり、と

彼の糸は、早くに途切れてしまったが

彼は確かに布を紡いだ

残された者に出来ることは

その布を形とすることだけ

鉢巻き、帯、服・・・

その布を、我々は縫わなければならない

縫って、形として、決して無に還さないよう

此処に、証が残るよう



貴方は、その布で何を縫いますか?

―――『糸』